贈与税の申告書 共同相続人に開示されてしまいます
2007年 09月 07日 - 01:28 by 桂 一朗
兄弟がいる場合、他の兄弟に内緒で、こっそり親から贈与を受けると言うこともある。しかし、いざ相続となると、贈与税の課税価格の合計が、他の共同相続人に開示されることとなる(相続税法第49条第1項)。国税庁の頁はこちらです→贈与税の申告内容の開示請求手続。
開示請求の対象となる贈与税の申告は、次の2つである。
- 相続開始前3年以内の贈与(暦年課税にかかわる贈与分)
- 相続時精算課税制度適用分の贈与
ここで、いくら兄弟といえども、他人の申告内容を開示できるのはおかしいのではないか、と、思う方もいると思うが、上記の2つは、相続税の計算過程に取り込まれるものであるため、贈与を受けた者だけに影響するのではなく、共同相続人全員の相続税の申告に影響するため、開示されないと、相続税額の計算を行うことができないからだ。
暦年課税にかかわる贈与の方は、4年以前は開示されないから、贈与税の申告をしても、他の共同相続人に内緒にしておける(それがよいかどうかは議論があろうが..)、しかし相続時精算課税制度を利用してしまうと、たとえ10年前でも開示の対象となる。
開示の対象となり、贈与を受けていることが判明すれば、他の兄弟から特別受益と考えられても不思議はない。
また、親の側も、そばにいてくれる子に、余分に相続させたいと思っても、法定相続分は兄弟間で均等であるため、できれば生前に贈与を行って、特定の子に、より多くの財産を受け継がせようとしても、開示の対象となってしまっては、結果、遺産分割をこじらせかねない。
もし、こっそり贈与をしたいのであれば、暦年課税の贈与を行い、贈与をしてから長生きすることを心がけ、かつ、相続時精算課税制度の利用は見合わせるべきであろう。
すくなくとも、この場で、「贈与税の申告をせずに済ます」、という結論を出すわけにはいかない(汗。


