還付額の多い少ない、なぜ? 年末調整
2007年 11月 18日 - 04:51 by 桂 一朗
同じ会社の中で、給与支給額や家族構成が似ている者と比較して、なぜか年末調整の還付額が、少額であるために、不満を言う方がいる。払わずに済む源泉所得税が、月々差し引かれていなかったのだから、月々の手取りが大きくて、文句はないと思うのだが、人間というものは、過ぎ去ったことは、忘れてしまうので、目の前にある、還付額だけで比較してしまう。
そうはいっても、なぜ似たような条件であるのに、還付額が異なってくるのかと想像を巡らすと、次のような条件の場合には、還付額が大きく変る。
- 年の途中で、扶養者等が増えたり減ったりしたとき
- 扶養者の中に特定扶養控除に対応するような、一般的な扶養控除より大きな金額の扶養控除が受けられる者がいるとき
- 生命保険料控除、地震保険料控除のような、年末調整でしか控除額が加味されない所得控除があるとき
- 年間の給与支給総額の中で、賞与の占める割合の多寡によりけり
1. に関しては、比較的わかりやすいと思う。扶養親族の判定は、原則年末時点で行うので、例えば、年の途中で、子供が生まれた場合など、それまでの月給は、配偶者だけを考慮して源泉所得税を決めているが、年末調整時点では、配偶者と扶養親族の2人となるようなときに、生まれる前までの、月々の源泉所得税が大きいため、その分還付となる。
2. に関しては、特定扶養控除に該当する場合は、63万円控除額があるのだが、月々の源泉所得税を決めるときには、単なる扶養親族(控除額38万円)と区別して決めていない。そのために、年末調整時点で、還付される金額が大きくなる。
3. に関しては、月々の源泉所得税を決めるに当たって、配偶者、扶養親族や寡婦などは考慮して決めているのだが、生命保険料控除や地震保険料控除は、何ら考慮していない。そのため、年末調整で、これらの控除額がプラスされるため、還付額が生じることとなる。
4. に関しては、若干わかりにくいかと思うが、賞与の源泉所得税は、その賞与の支払い月の、前の月の給与の額(正確には、支給額から社会保険料を差し引いた額)により、決められている。つまり、前の月の給与の額が少額だと、賞与の源泉所得税の金額は小さくなる可能性が高い。しかし年収で考えれば、月給でもらおうと、賞与でもらおうと、給与であることには変わりないため、年末調整を行えば、年税額は同じになる。そうすると、同じ年収でも、月給が少なく賞与の多い人と、月給が多く賞与の少ない人では、還付額は当然異なる結果となる。


