後入先出法は廃止だそうで 企業会計基準委員会
2008年 10月 06日 - 00:56 by 桂 一朗
平成20 年9 月26 日企業会計基準委員会から公表された「棚卸資産の評価に関する会計基準」(改正企業会計基準第9 号)によれば、棚卸資産の評価方法の一つであった「後入先出法」は認められない方法となったようです。とはいっても、上場していない中小企業にはいまのところ直接影響はない模様です。
後入先出法という用語を見て思い出すのは、渡辺進先生が書かれた「棚卸資産会計」という書籍です。先生の著書はたくさんあるので、私がどの本を読んだのかも思い出せませんが、ともかく大学時代に図書館で読んだ記憶があります。
本来は、読んだ本の一部を引用したいところですが、すっかり忘れてしまったので、手持ちの「第四版会計学辞典」(神戸大学会計学研究室編 同文舘 昭和59年4月27日)の「後入先出法」(渡辺進稿)を一部引用します。
後入先出法
買入逆法とも称せられていたが,シャウプ勧告の公式訳文において,後入先出法なる名称が用いられて以来,この用語が確立した.アメリカではLifo(またはlifo)と略称されている.
この方法は,最も近く取得されたものから払出しが行われ,期末棚卸品は最も古く取得されたものから順次なるものと見なして,棚卸資産原価の配分を行うものである.
・・・(引用者略)・・・先入先出法は概ね物の実際の動きに即応する原価の流れを想定して原価配分を行うのであるが,後入先出法において想定されている原価の流れは先入先出法の場合と全く逆であって,概ね実際の物の流れには即応していない.しかもかかる原価配分方法が一般に承認されているのは,現在の収益に現在の原価を対応せしめるという後入先出法の有する機能の有用性によるものである.・・・(引用者略)・・・
後入先出法は、上記「有用性」により棚卸資産の評価方法として、これまでは認められてきましたが、平成22 年4 月1 日以後開始する事業年度からは採用できなくなりました。
ともかく、現在の会計を巡る流れは、貸借対照表に記載される価額が、時価と大きく乖離することになる評価方法は採用できないと考えていることと、比較可能性を高めるために、採用できる選択肢をなるべく絞ろうという考え方が底流にあるのでしょう。
ちなみに、中小企業で採用されている棚卸資産の評価方法で一番多い方法は「最終仕入原価法」かな・・・と予想します。なぜなら、税法での法定評価方法+最も手間がかからない方法 だからです。


