欠損金の繰戻し還付 繰戻すのが有利?それとも繰越す方が有利?
2009年 04月 17日 - 01:28 by 桂 一朗
中小企業等の繰戻還付(法人税法第80条第1項)が復活しました。平成21年2月1日以後終了事業年度からです。つまり、この4月に申告する会社からなんです(汗。
平成4年からこの制度は停止されていたのですが、めでたく復活しました。還付請求書は国税庁WebSiteの「欠損金の繰戻しによる還付の請求」にあります。
この制度は、単純に言えば、前期は黒字(納税有り)、当期は欠損という場合に、当期の欠損金額を分子に、前期の所得金額を分母にして、前期の法人税額にかけてやって還付金額を算出します。
前期法人税額×当期欠損金額/前期所得金額=繰戻し還付金額
注意したいのは、前期の所得金額の上から控除されているのではないと言うことです。つまり、中小企業は税率が所得金額800万円までは22%、それをこえると30%になります。上記の式を見ての通り、単純に比例案分して計算してくるので、30%の税率で還付されるのではないことです。
そうすると、当期発生した欠損金額に相当する程度の額、次期において所得金額800万円超の部分、つまり30%税率の部分が存在すれば、欠損金を繰越した方が有利になります。繰越せば税率30%がかけられる所得金額が減るからです。
ただし、次期は所得金額800万円までは税率18%になるため、所得金額によっては、繰戻し還付を受けた方が有利になります、前期の方が税率が高いので。
未来はわからないので、えいや!と決めることになってしまいますが、現状の経済状況や資金繰り等からすれば、繰戻し還付を利用すべきかなぁ・・・などと考えています。まぁ、前期、当期は既知の定数なので、次期の所得金額を何パターンか予想して有利不利を決めることになるのでしょうね。もちろん納税者の意向が最優先ですけれども。
ちなみに、この法人税の繰戻し還付を受ける場合、地方税は次の明細書を申告書に添付します。
- 法人県民税・・・「第六号様式別表二の三 控除対象還付法人税額又は控除対象個別帰属還付税額の控除明細書」
- 法人市民税・・・「第二十号様式別表二の三 控除対象還付法人税額又は控除対象個別帰属還付税額の控除明細書」
法人県民税および法人市民税ともに法人税のように還付されるわけではありません。還付される法人税額を次期以降に繰越し、税額が算出された年度で、その還付法人税額を差し引くことになります。上記の「第六号様式別表二の三」と「第二十号様式別表二の三」は繰越すための明細書です。
法人県民税に関しては愛知県総務部税務課の「申請書様式ダウンロード-法人県民税・事業税・地方法人特別税申告書様式」をどうぞ。法人市民税に関しては、名古屋市のサイトを探したんだけど見つけられずに、横浜市 よこはま市税のページをリンクしておきます。「申請書等様式・手引きのダウンロード(法人市民税)」
最後に、法人事業税はこの繰戻し還付の制度に関係しません。当期欠損金ならば、通常通りに「第六号様式別表九 欠損金額等の控除明細書」により次期へ繰越します。
しかし、慣れない書類を書くのは緊張する。しかも、現状存在する手引き等は、すべてこの制度が停止されていることを前提で書いてあるし・・・。


