業績等の悪化により役員給与の額を減額する場合
2008年 12月 19日 - 02:19 by 桂 一朗
「役員給与に関するQ&A(PDF)」が平成21年12月17日付けで国税庁WebSiteに掲載されました。
このPDFの最初のQ&Aは「業績等の悪化により役員給与の額を減額する場合の取扱い」に関して解説されています。まぁ、時期を得た解説ですね。
おおざっぱに定期同額給与(法人税法第34条1項1号)を述べれば、毎月同じ額の給与を支払う場合、その額を損金とする、という考え方なので、途中で減額した場合は損金にならないのでは?という疑問が宿命的に生じる結果となっている。
そうはいっても、しかたなく役員給与を減額する場合があるわけで、理由として業績悪化がある場合には認めましょうという話になっていた(法人税法施行令第69条1項-ハ:「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由によりされた定期給与の額の改定」)
ここで「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由」とは具体的にはどういう理由だろうという疑問が生じてくる。そこで、3つの具体例がこのQ&A 2頁から3頁に掲載されている。
① 株主との関係上、業績や財務状況の悪化についての役員としての経営上の責任から役員給与の額を減額せざるを得ない場合
② 取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において、役員給与の額を減額せざるを得ない場合
③ 業績や財務状況又は資金繰りが悪化したため、取引先等の利害関係者からの信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員給与の額の減額が盛り込まれた場合
この中でも、同族会社が①を理由にする減額改定を行う場合、「役員給与の額を減額せざるを得ない客観的かつ特別の事情を具体的に説明できるようにしておく必要があることに留意」しなければならないことを解説している。役員と株主とが同一か非常に近い存在であることを考慮した結果であろう。
実際、中小企業において、役員給与を中途で減額せざるを得なくなるのは、従業員の賞与を例年通り支払えない場合とか、月々の給与の賃下げを強いる場合など、すくなくとも、自らが範を示さなければ従業員の結束力を失いかねない場合が多いのではないかと思う。この場合には、従業員も取引先等の利害関係者に該当するだろうから③に該当するのではなかろうか。


