遺産分割協議は、国税徴収法39条の「その他に利益を与える処分」

2009年 08月 18日 - 02:38 by 桂 一朗

相続税の申告業務を行っていると、遺産分割協議がうまく整うかなぁ?と気になるが、その内容に関しては、相続人間の問題なので、税理士としては立ち入らない(立ち入れない)のが通常である。しかし、平成21年6月18日付「「国税徴収法基本通達」の一部改正について(法令解釈通達)」の「第39 条関係 無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務」→「(第三者に利益を与える処分)」の5、において、次のように述べられているのを見て、遺産分割協議にのぞむ納税者に対して、注意を促した方がよいと考えるようになった。

5 法第39 条の「その他第三者に利益を与える処分」とは、譲渡、債務の免除以外の処分のうち、滞納者の積極財産の減少の結果(滞納者の身分上の一身専属権である権利の行使又は不行使の結果によるものを除く。)、第三者に利益を与えることとなる処分をいい、例えば、地上権、抵当権、賃借権等の設定処分、遺産分割協議(平成20.2.27 東京高判参照)がある。この場合において、地上権等の設定により受けた反対給付(例えば、権利金、礼金等)があるときは、それが法第39 条の「対価」に当たる。


ここにある、平成20年2月27日東京高判とは、事件番号平成19(行コ)375の判例である。手がかりのために、画像として一部をアップしておく

平成20年2月27日東京高判二次納税義務告知処分取消請求控訴事件

共同相続人の中に、国税の滞納者がいた場合、その共同相続人間で行った遺産分割協議は、国税徴収法39条の「その他第三者に利益を与える場合」に該当する....のだそうだ。詳しいことは、裁判所の裁判例情報から、事件番号によって検索してください。

まぁ、今後は、遺産分割協議を行ってもらう前に、共同相続人の中に、国税滞納者がいるかどうかとか、遺産分割協議の結果、特定の者の取得する財産が非常に少ないような場合、このような判決があるということを申し上げるとかしないといけないなぁと、感じました。


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