特殊支配同族会社(実質一人会社)逃れ
2006年 07月 31日 - 00:53 by 桂 一朗
特殊支配同族会社とならないためには、10%超の株式を第三者に持ってもらうことが一番容易な対策かな、と考えたときもありました。しかし、そうは問屋が卸さない、とばかりに、下記のような当局の対策がとられています。
- 特殊支配同族会社の株式を、10%超(例えば11%)第三者に譲渡したとき、この譲渡に「経済的合理性」が必要とされた(税務通信No.2919)。
- 譲渡された第三者が、議決権においてオーナーの意志に従うことを約している場合には、その譲渡された株式はオーナーの株式とみなす(法人税法施行令第72条4項)とされている(若干意訳してある)。
てぇ、ことで「私見によれば」とことわりつつも、下記の要件があれば、株式の譲渡が特殊支配同族会社逃れとはならないのではないか、と思うことをここに記しておきます。
- その第三者が、譲渡後、現実に配当金を受け取っていること
- 譲渡時点において、会社に剰余金の分配可能額が存在すること
- その第三者が適切な時価で、譲渡の対価を支払っていること
- その第三者が、会社法の規定に基づいて、株主総会の議決権の行使の機会を与えられていること、もしくは、実際に行使していること
1~3は「経済的合理性」の存在を立証するものです。
2/3超の株式を持つオーナーがいる会社の株式を所有しようとするのであれば、剰余金を受け取る権利を欲するために株式を買う、という以外考えられないのではないでしょうか。ですから、その譲渡の対価とその後の配当金とが見合えば、経済的合理性の存在を予想させることになるのではないか、と考えます。
4番目は、オーナーの意志に従うことを約していないことを示すための要件です。
おそらくこれまで、オーナー会社は、株主総会を現実に開催しないことが普通でした。しかし、株主である第三者に対して、招集通知など会社法に定められた手続きを現実に行い、株主総会を実際に行うべく手順を踏んだ後、株主総会を実際に開き、議事録を残しておけば、オーナーの意志に従うことを約していないことを立証できる、と考えます。
さ~て、上記に関して、賢明なる皆様は異論百出 & そんなことを実際にできるかぁ~とお考えでしょうが、ともかく書いておこう(汗。
いずれ、国税庁から上記の「経済的合理性」や「意志に従うこと」の具体的説明があるでしょうね。それをお楽しみに!ってところです。


